長いので暇なときにぼちぼち読んで頂ければ幸いです。
お早うございます。昭和26年以来と言う台風10号の奇妙な動きに翻弄された1習慣でした。東北地方北部と北海道に洪水などの被害が発生、大変お気の毒です。「米、野菜、果物が高騰するのでは」との心配も有ります。台風10号の動きが65年前と似ているとされますが、自然を相手にした河川対策はダムと堤防建設しかないようです。築地市場移転に伴う利権が囁かれる中、「やっぱり土建屋が頼り?」と複雑です。
8月26日(金)、南八ケ岳連峰の主峰「赤岳」(2899.2m)に登ってきました。赤岳は各地に存在し北海道大雪山系(2078m)、八雲町(531m)、上ノ国町(719m)、静岡県(1055m)、岐阜県飛騨山脈(2416m)、岡山県岡山市(331m)などにも有ります。
一日目は八ケ岳山荘駐車場から南沢、行者小屋経由地蔵尾根を登り、赤岳展望荘まで所要時間:6時間、歩行距離:10.0km、標高差:1237mの登山でした。
二日目は赤岳展望荘から赤岳、中岳、阿弥陀岳(ピストン)に登り、行者小屋経由で駐車場に戻りました。所要時間:7時間、歩行距離:11.5km、標高差:1397mの山行(下山)でした。
05:30 圏央道、寒川付近を北上中、相模川に架かる神川橋越しに富士山を望みます。右は大山山麗です。高尾ICから中央高速に乗り、小淵沢ICで降ります。
八ケ岳山荘(駐車場)から美濃戸登山口までの林道歩き(1時間10分)は省いています。赤岳までのピンクが登山ルートでブルーが下山ルートです。阿弥陀岳はピストンでした。点線は過去に2回登り天候不良で撤退したルートです。
08:15 美濃戸山荘駐車場到着(料金:500円)、体操をし登山計画書(登山届)を提出します。
08:30 赤岳山荘前を出発、林道を歩いて美濃戸山荘に向かいます。林道は昔に比べると凸凹が少なく、二輪駆動車でも登れるように整備されています。
09:30 ゆっくり歩いて1時間半、美濃戸付近から見えた赤岳です。
09:42 美濃戸山荘付近(1720m)の南沢登山口から登山道に入ります。左の林道は赤岳鉱泉への北沢ルートに接続しています。
南沢登山道入り口に設置してあった南八ケ岳周辺案内図です。
09:44 登山道に入って直ぐに砂防ダムの左を超えて右折し、右岸を登ります。
09:50 木造の橋を左岸に渡ります。
10:01 何度か渡渉(浅い川を渡る)した後、二番目の橋を左岸に渡ります。この先に若干の急登が有ります。
11:00 小さな滝を左に見て苔むす森の道に入ります。水が豊富な八ケ岳特有の登山道です。
11:26 山が崩れて土砂が堆積し、モレーン状になった台地を歩きます。両サイドが小さな谷になっています。
11:48 この辺りから行者小屋までは枯れた沢を登ります。ザレた小石が多いですが歩きやすい。
12:12 河原を均(なら)して作った行者小屋のヘリポートです。荷物の搬入と救急用に使用されると思われます。しかし小屋には広いテント場が有ってヘリコプターによる荷物搬入は行えるはずです。風向きなどによって搬入場所を変えるのかもしれません。そろそろ昼飯時なのですが・・・
12:16 ヘリポートを過ぎると寺社の参道を思わせる直線の道を歩きます。突き当りに行者小屋が見えてきます。
12:21 小高い丘に上がると右手にテント場が目に入ります。(テント場は一人1泊1,000円)ここを奥に進むと文三郎尾根から赤岳に通じています。
12:21 金曜日の昼時ですが登山者はごらんのとおり、流石に人気の登山道です。向うの山を越えたあたりに北沢ルートの赤岳鉱泉が有ります。南沢を登り、赤岳鉱泉が有る北沢ルートを下る登山者も多い。おにぎりとパンで昼食を済ませまた。右上に見えるピナクルは「大同心」と言います。標高は2350mです。
13:03 行者小屋の右手から地蔵尾根登山道に入ります。岩稜地帯を登り始めると見晴らしの良い尾根で地蔵様が登山者を迎えてくれます。
13:31 ハシゴと言うより階段に近い手摺りのある階段を登ります。
13:59 赤い岩肌が目立つ尾根を登ります。はしごとくさり場の連続です。石は鉄分を含んで赤くなり脆(もろ)いのでホールドとしては信頼度が低い。
14:08 見晴らしの良いリッジ(2600m)に出ると座ったお地蔵さまが迎えてくれます。お詣りさせて頂きました。岩が脆く、崩れるのを防ぐ為に蛇籠に石を詰め鉄骨で止めています。
14:27 稜線に出たところが「赤岩の頭分岐」です。右が赤岳展望荘方面、左が横岳、硫黄岳方面です。
14:33 赤岳展望荘から東側を見下ろすと野辺山方面がかろうじて見えました。右端が清里です。
14:36 地蔵の頭から小ピークを登ると平坦な稜線を200mほど南下した場所に有る「赤岳展望荘」(2739m)です。この時点では赤岳は見えませんでした。
16:10 一時的に霧が晴れて赤岳が顔を見せくれました。明日は赤岳から中岳、阿弥陀岳(見えない)に登ります。
17:15 赤岳展望荘の夕食です。バイキング形式ですが少々遠慮したかもしれません。W 宿泊者は50名ほどだったと思われますが交代で食べます。チェックイン時に受け取ったコップ(マジックで名前を記入)の色で呼ばれます。筆者のコップは青、他に緑、青、ピンク、黄色などが有ります。チェックアウトまでほうじ茶、コーヒーなどが自由に飲めます。ハッポウスチロールの食器ですが料理は〇でした。
山小屋では珍しい直径2mの五右衛門風呂です。大人6人が余裕で入れます。男女交代制です。
女性:14:00~15:20 及び 18:30~19:20
男性:15:30~16:50 及び 19:30~20:20 となっています。石鹸などは使用できませんが流し湯としてシャワーが使えます。感激の五右衛門風呂でした。
0516 食事前に東の空を観察、頂上は厚い雲に覆われ、この朝焼けの隙間もすぐになくなりました。残念!
05:15からの朝食もバイキング、ご飯はお代わりしました。
05:53 雨が心配されるので少々早めに山小屋を出発、頂上はおろか下界も全く見えません。トホホホ 県界尾根と言うのは長野県と山梨県との県境を指しています。この道は清里高原に下山できます。
05:58 登り始めて直ぐ、ニホンカモシカに遭遇、登山者の目など物ともせず、高山植物を食べまくっていました。体毛が濡れて毛羽立っています。
06:07 小屋を出て15分、振り返ると北方の尾根がクリアに見えました。サイの角の様な「大同心」が見えていますが壁は垂直です。
06:33(推定)赤岳頂上山荘に到着、左の下ると前出の県界尾根、小屋の右手に見える山頂に向かいます。実はこの辺りから30分ほど画像が残っていません。原因はデジカメを腰のケースに入れる際にモードスイッチがケースに当たり別のポジションになっていたと思われます。この問題は今までにも起きていたのですが放置していました。次回はモードスイッチをテープで動かないようにする対策をするつもりです。写真はGoogle earthのストリートビューからのコピーです。
06:37(推定)小屋の横を通り、赤岳山頂に向かいます。距離は100mほどだったと思います。実際は霧で何も見えませんでした。From:Google earthのストリートビュー
06:40(推定)赤岳山頂の模様です。岩だらけで狭く人通りも多いので食事は山荘側が良いと思います。Google earthのストリートビュー
06:45(推定)山頂直下のハシゴを下りると長い岩場とザレ場のクサリ場がキレット・権現岳分岐まで続きます。Google earthのストリートビュー
07:02 頂上から15分は岩場の連続でハシゴ、くさり場が続きます。
07:09 キレット分岐を過ぎると正面に中岳が見えてきます。右下に見えるポールは「文三郎尾根分岐」です。
Google earthのストリートビューによる画像です。
07:13 文三郎尾根分岐(ほぼ中岳と同じ2700m)です。悪天候時は岩場が無い中岳を経由したほうが安全です。
07:42 標高2700mの中岳山頂です。国土地理院地図をはじめ各種地図上では「八つが岳」と表記されているのが不思議です。左上のウインドウ内、赤い↑の先に「八ケ岳」と表記されています。
07:54 中岳と阿弥陀岳の鞍部が「中岳のコル」(2634m)です。ここにザックをデポして阿弥陀岳を往復します。右に折れると行者小屋に下れます。
08:23 30分足らずで阿弥陀岳山頂(2805m)到着、山頂からは「御小屋尾根」、「中央崚」、「南稜」ルートが有ります。御小屋とは有名な「御柱祭」に使用する木材を伐採する人達が利用する神聖な小屋が有った事から付けられたようです。
08:43 阿弥陀岳下山後の中岳のコル(2634m)、赤岳山頂で写真撮影をお願いした山ガール、我々より5分遅れで降りてきました。阿弥陀岳はガレ場が多く安全重視登山を心掛けたのでしょう。それにしても写真がボケボケです。雨がポツポツ降り出しています。
09:16 09:00頃から雨が本降りとなり、雨着を着用しての下山になりました。この先でハプニング、足元ばかり見て歩いていたところ、倒木にゴツンし、2、3歩後ずさりし、お尻をついてしまいました。また、雨着着用時はフードを2、3cm畳むなど視界を確保する為の調整が必要です。
09:26 文三郎尾根登山道との合流点、右の登山道が文三郎道です。赤岳へはこのルートが一番早く登れます。
09:35 小川と化した登山道を下るとテント場(標高2350m)が見えてきます。この雨でも行者小屋の軒下には30名近くの登山者が居ました。雨対策にポンチョを被った登山者も数名おりましたが、岩登りにポンチョは適さないように思います。それにしても雨のテント泊はテントが重くなって悲惨です。
10:13 登山道が川になるほどの雨でしたが、土曜日とあって、登山者が引きも切らず登ってきます。その数は50名以上、テントを背負った女性もいました。八ヶ岳人気恐るべし。
11:32 登山時に二番目の橋と呼んだ橋を渡ります。ここまで来れば登山口のある美濃戸山荘までは15分です。
11:48 50名で驚いていてはいけません。まだまだ増えるようです。ここにもツアー客らしいIDカードを付けた30名ほどの登山者が居ました。(標高1720m)
11:59 美濃戸山荘前の岩の上でクッキングです。大きい方のコッヘルでお湯を沸かし、1.4mmパスタとカルボナーラの素を茹でています。標高1720mでも沸騰は早く、火力調整弁不具合で泡消しに苦労しました。鍋を持って上下させると火力が調整できることは後で気付きました。W
12:07 カルボナーラの完成です。デザートの梨も美味しかった。庇(ひさし)になっている木の葉から滴る雨粒に味が付いていたかもです。W
13:00 小雨の中を八ケ岳山荘駐車場に戻り、三度目のトライで漸く赤岳登山を達成した喜びを噛みしめました。 リーダーのTさんそして年長者のIさん、またよろしくお願いいたします。
13:13 登山時に駐車スペース横に有った大きな釜(φ1.5m)はこの山荘と同系列の赤岳展望荘で五右衛門風呂に使用されていたものと推測しています。大小二つあるので女性用、男性用だったのかも。
13:42 登山客でにぎわう延命の湯(料金は820円)到着、入浴後付近の道の駅で「蜂の子漬け」を見つけましたが高さが7cmほどの瓶詰(内容量は3cm)が1720円で売られていました。羽が付いている者も有り、買えませんでした。(汗)
八ケ岳山荘付近で見かけたキンポウゲ科の多年草「トリカブト」です。大きいもので丈が1mになりますがここのトリカブトは倒れてしまっています。花の形が舞楽で使用する鳳凰の頭を模した兜に似ているので「鳥兜」になったようです。根を乾燥させたものには毒性があります。反面昔から薬草としても使用されます。春先の二輪草などに良く似ています。全体的に毒性があり、山菜と間違って食べて事故になる事も多いので注意が必要です。クジラなど猟をするときの毒矢にも使用されてきました。原産地は中国です。写真では葉っぱの位置が左側になりますが茎が右側に倒れこんでいます。