お早うございます。先日宮崎出身の友人から宮崎特産の「あくまき」(灰巻き)を頂きました。大昔から九州南部で保存食として重宝されてきた食品です。作り方は、木炭や樫の木を燃やして作った灰に熱湯をかけてかき混ぜ2、3回ほど3重のさらしで濾過して灰汁を作り、研いだもち米を、作った灰汁に一晩浸けて浸み込ませます。翌日、米をざるで水を切り(灰汁はキープ)、戻して柔らかくした竹の皮で包み灰汁で3時間炊いて完成です。常温で3ヶ月保存できると言うから凄い。島津藩が関ケ原の合戦で使用したという言い伝えが有るようなので、戦闘食であったと考えられます。灰汁は舐めてピリピリするくらい強力なアルカリ性だそうです。※アルミ鍋はアルカリに弱いので「あくまき」作りには使用できません。
宮崎、鹿児島県では「母の味」として各家庭ごとに若干の差があっても作り方に大きな違いは無いようです。
竹の皮を剥ぐと透明感のある飴色の”ういろう状”のものが現れたので意外でした。鹿児島県、宮崎県、熊本県南部など南九州では端午の節句に作られる季節の和菓子との位置づけだそうです。
包丁で切ると刃にくっつくので糸で巻き切ると綺麗にカット出来ます。きな粉、黒蜜、シロップなどをかけて頂きます。若い頃、大隅半島出身の友人に頂いた「あくまき」はもう少し米粒が残っていました。炊く時間が短いと米粒が残るのかもしれません。私は粒つぶの方が好きです。筆者も作ってみたいのですが、灰を作るのが大変そう。炭ではなく、近くの丘に登って草木を燃やして作っても良いような気がします。しかしもち米1升、灰1升と言うから2、3合のもち米でも灰の量は相当量が必要です。宮崎では季節になると灰がスーパーなどで売られるそうです。
葉っぱがサヤエンドウのように見えるナデシコ科の一年草「ムシトリナデシコ」です。ハエトリ ナデシコ、コマチソウ、ムシトリバナなどの別名が有りますが食虫植物ではありません。葉と茎の付け根から粘液を出し、虫が逃げられなくなることからこの名前が付けられたようです。原産地はヨーロッパで丈は50cmほどに育ちます。江戸時代に渡来したものと思われますが野生化しています。