お早うございます。先日は北海道で小学年生の男児を山中に置き去りにする事件が発生しましたが、何事も”やり過ぎ”はいけません。そういう意味では私もやり過ぎないよう、”ゆったり登山”を心掛けたいと思います。先月28,29日の両日、高村幸太郎の代表的な詩集「智恵子抄」に出てくる安達太良山に登ってきました。空が大変奇麗でした。
智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間(あいだ)に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
あどけない空の話である。
安達太良山は活火山であり、1997年には安達太良山火山ガス遭難事故が発生し4人が無くなっているので注意が必要です。稜線の西側に位置する「沼の平火口」への立ち入りは危険で稜線歩きも素早い通過を心掛けたい。また、日本百名山(深田久弥)、花の百名山(田中澄江著)にも選出されている名山でも有ります。
コースは奥岳登山口、くろがね小屋、矢筈森、鉄山往復、安達太良山、薬師岳、駐車場に戻る周回コースをセレクトしました。歩行時間は第一日目2時間15分、二日目は5時間45分、総行程12.0km、高低差750mの山行となりました。
28日08:00 横浜を出発し、首都高と東北自動車道を使い二本松I/Cまで移動、その後国道459号線、県道386号線を西走し岳温泉経由「安達太良高原スキー場」用駐車場に進出、ピンクのコースを登り、くろがね小屋に一泊、二日目に鉄山、安達太良山を制覇、ブルーのコースを下る”ゆったり登山”でした。
12:18 昔懐かしい田園風景です。高齢者が耕作を放棄すればこの風景も見られなくなってしまうかもしれません。夜になるとこんな田圃でカエルの大合唱が聴ける季節です。蛍も舞いそうです。
12:51 岳温泉の中心部(安達太良スキー場分岐)にある行列のできるレストラン(成駒)で食べた「ソースフィレカツ丼」です。厚くて幅広のフィレカツが2枚載っています。下のご飯にはキャベツと汁がたっぷりかかっています。しかし、量が多すぎ、翌日の昼食ごろまで胃の具合が不調でした。農作業などをし、腹を空かせてから出かけるべきかもしれません。W ¥1,150
13:34 あだたら高原スキー場の無料駐車場に到着、正面には鉄山(1709m)も見えています。右手の山の裏側に「くろがね小屋」が有ります。標高はおよそ950mです。
13:45 装備を整え出発です。奥岳温泉前のロータリーを直進して登山口に向かいます。
13:46 スキー場から横道に逸れ「安達太良渓谷自然遊歩道」を通って「くろがね小屋」に向かいます。
13:48 左の小道を使っても良いのですが下山者の薦めも有って溪谷周りで登る事にしました。
13:54 最初の木造の橋を渡ります。以後この川に架けられた橋を何度か渡りながら溪谷を楽しみます。
14:01 昇龍の滝が見れる橋を渡ります。橋はもう二つあります。
14:14 4つ目の橋を渡り、上流に向かって左側に出ると階段が有り、林道に合流します。
14:15 軽自動車なら通れそうな幅の橋は「馬車道」と呼ばれる道路に架けられています。標高はおよそ1019m
14:23 馬車道をしばらく登ると登山口(旧道)が見えてきます。セミの声が聞こえる広葉樹の森に入ります。
15:12 尾根道に出るとオオカメノキの花が咲いていました。この辺りからドウダンツツジ、レンゲツツジ、ムラサキヤシオ、ハクサンシャクナゲ、ウラジロヨウラクなどの落葉小低木に加えてイワカガミなどが見られます。
15:14 勢至平への標識が有ります。勢至とは勢至菩薩の事で阿弥陀三尊の右脇侍として衆生が地獄・餓鬼界へ落ちないように救う菩薩と言う事になっています。。
15:15 ミツバツツジに似ていますが、ツツジ科の落葉低木「ムラサキヤシオ」です。流石に「花の百名山」、次々に高山植物を見る事が出来ます。
15:28 勢至平の尾根の最上部付近に位置する「峰の辻分岐」です。矢筈森、安達太良山に登る場合はここから登ります。標高1305m
15:54 峰の辻を過ぎると下りになり、温泉水輸送管が埋設してある道(左)から分かれて一気にくろがね小屋に下ります。
15:57 視線を上に向けると正面に矢筈森と鉄山の間に有る「馬の背」が迫ってきます。
16:03 「くろがね小屋」到着、1階の庇付近にはソーラーパネルが設置されていました。この小屋は福島県営で1泊2食付き6320円でした。標高1340m
16:07 食堂兼サロン、山小屋ならではのアンティーク・ストーブですが石炭使用の通称「達磨ストーブ」です。
16:22 小屋のルール説明を聞いて2階に上がります。正面が我々に与えられた部屋で12名分の布団が敷いてありました(実際に6名)。布団は広めで普通サイズでした。各部屋は就寝前にカーテンで仕切ります。
16:35 食事は17:30からと言うのでひと風呂浴びる事にしました。この日の宿泊客は30名ほどで二人でゆっくり入れました。白濁した硫黄泉は久しぶりで最高でした。
19:56 就寝前の歯磨きに下りた帰りに熊本地震への募金をしてきました。二日目は06:30に出発の予定です。
稜線を除く安達太良山全域で見られるツツジ科の落葉低木「ウラジロヨウラク」です。花の様子が仏像の装身具である瓔珞(ようらく)に似ていることから命名されています。葉の裏が緑と白を混ぜて青を加えたような不思議な色(上の写真)に見えます。安達太良山では6月中旬頃が見ごろで5月28日は少々早かったようです。右の写真はネットで拝借しましたが花の色はもう少し赤い。